日本における文系博士号の価値は?
日本の大学院において、理系の博士号取得者は比較的多い(例えば医学博士)
一方、文系の博士号取得者はかなり数が少ない。
理系の研究と比べ、主観的要素が強く、査読者によって、判断が分かれることが少なくないかもしれない。
しかし、以前より、ここ10年ぐらいは、文系の博士号取得のハードルが比較的下がり、取りやすくなっているとの情報もある。
日本における文系博士号の価値は、理系の博士号と違い、一般企業ではあまり活用できないかもしれない。あるとしたら、社会調査系を行なっている会社(例えばマクロミルなど)は、就職活動の際、PRできるかもしれない。
後は、行政、シンクタンク、そして教育機関であれば、博士号取得がPRにつながる可能性はある。
ただ、大学院は修士2年、博士後期課程は最低でも3年、8年ぐらいかかって、結局博士号を取得できず、大学院博士号満期退学という履歴書の記載のケースもある。
大学院の博士後期課程においては、東大、筑波大などは、飛び級という制度もあり、通常最低でも3年以上かかるのに、2年以内で、博士号取得するという強者もいる。
この場合は、大学院の授業料等のコストを考えるとかなりコスパが良い。
しかし、3年以上かかるのであれば、年間80万前後の授業料等を払って、博士号を取得することに、どれだけの価値があるかについては疑義が残る。
ある種、「自分は博士号持ち」という自己満足に尽きるのかもしれない。
でも、教育や研究は、コスパでも測れない気もする。
コロナの感染が広がり、文系の社会調査系の研究は、極めてやりずらいだろう。
なぜなら、アンケート調査の回収率にも負の影響を及ぼしたりする可能性が高いからである。
このご時世において、文系博士号を目指す方に敬意を表したい。